ども!ゆらたろすです!
今日も質問に答えていきますよ~!
はい!
今回の質問はこちら!
はいっ!ありがとうございます!
実はこれには深い理由があるのです。。。
さっそく説明していきますね!
MSWが「何でも屋さん」と化している実態
MSWというのは病院によって業務内容が大きく異なっています。
一応「医療ソーシャルワーカー業務指針」というものがあって、それに沿った仕事をしましょうという全国一律の取り決めはあります。
しかし、まぁこれが曖昧なもので解釈の仕方によっては結局・・・。
なんでもやらなあかんやん・・・。
という代物なんです。例えば・・・
「退院援助・社会復帰援助」
という事が書かれていますが、看護師や医師のように行う業務一つ一つに診療点数がついているわけではなく、
超ざっくりとした業務内容を「病院の管理者の監督の下行って下さい」と書かれているに過ぎないんです。
それでも最近は徐々にですが行った支援が「社会福祉士」なら点数を算定・加算出来るようなものが出来てきました。
しかし、「医療ソーシャルワーカー業務指針」は「社会福祉士及び介護福祉士法」の中に含まれているわけではなく「医療ソーシャルワーカー協会・学会」が独自に示しているものなんです。
MSWは院内で別にどんな仕事をしてもいいわけです。その行った業務の内、診療報酬算定出来るものがあれば算定しもらってもいいですよ。っといった程度なんです。
おかしいとは思いませんか?
ならなぜMSWの基礎資格が「社会福祉士」なのか疑問じゃないですか?
確かに・・・。。
この事実を詳しく説明するためには、MSWがこの日本でどういった流れで出来てきたのか、歴史を知る必要があります。
MSWの歴史
MSWが日本に輸入されたのは意外に古く約90年も前になり、戦前のことでした。
日本初と言われているMSWは「浅賀ふさ」という女性で、兄と共に渡米していましたが1929年にアメリカから帰国し日本にはまだなかったMSWという職業の草分け的役割を担いました。

この頃、医療の社会化が叫ばれ始め、MSWも地域住民の診療調査など活発な活動を行いました。
しかし、時代は世界大戦へと移行し、MSWという職業はあまり受け入れられることはありませんでした。
第二次世界大戦後、日本はGHQからの指示によりようやく「社会福祉」を整備させることに注力しました。このころは戦争孤児や負傷した軍人の経済的な問題が大きく、ボランティアだった「民生委員」が生活保護の支給決定などを担っていましたが、GHQがこれにNOを突き立てちゃんと専門職を作りなさいという指示のもとで「社会福祉主事」が誕生しました。
一方、MSWはこの流れとは少し違う方向で活躍していました。
戦後MSWは結核の蔓延に対応するため、GHQ主導のもとに保健所や国立療養所・病院にMSWがおかれるようになりました。そこでは、貧困者や結核患者を主な対象者として入院援助、医療費問題の解決などの業務を行いました。
民間病院にMSWが配置されるのは少し先ですが、MSWという職業は専門的に医療に関わっていたのです。
その後、高度経済成長期には「貧困問題」だけではなく様々な社会問題が起きることとなりますが、「社会福祉主事」はあくまで公務員であり細やかなソーシャルワークが出来ないという背景があって民間の社会福祉のエキスパートを作るために1987年に「社会福祉士及び介護福祉士法」が成立しました。
「社会福祉士」が誕生したのです。
実はこのタイミングでMSWも「社会福祉士」とは別の国家資格として法整備される予定でした。
だってMSWは「社会福祉主事」をルーツとする「社会福祉士」とはまったく違う業務内容でしたし、あくまで医療側のエキスパートだったので医師・看護師と並ぶ資格として整備される予定でした。
しかし、この時点では結局MSWは法整備されませんでした。
さらにこの時代にある問題が急浮上してきたんです。それが・・・
「少子高齢化」
何時でもこの問題は出てくるんですね・・・。
この問題に直面した日本は明らかに「福祉」に携わる人材が足りない事を自覚し、少子高齢化に対応するためマンパワーの確保に注力しました。
実際「社会福祉士及び介護福祉士法」も本来は「資格化」と同時に福祉専門職の「職場環境の改善」も同時に行われる予定でしたが、結局それは後回しにされ「資格化」が何よりも先と言わんばかりに先行していったのです。
ここからも「社会福祉士及び介護福祉士法」は人材確保という側面が見え隠れしていることがわかります。
この「少子高齢化」という大きな問題に対応するために政府は注力していったので、MSWの「資格化」というのは声を潜めていきました。
しかし、法整備されなかったMSWは業務内容が明確化されなかったため当時、各病院で混乱がおきていました。
そこで1989年に苦肉の策として
「医療ソーシャルワーカー業務指針」
を示しました。
しかし、やっぱり法的根拠がない業務指針は仕事内容を明確化出来なかったのです。
そしていつのまにかMSWは同じソーシャルワーカーとして「社会福祉士」に統合されていき、今日のMSWの基礎資格が「社会福祉士」となっていきました。
MSWの基礎資格が「社会福祉士」である異常性
この流れでMSWは「社会福祉士」と統合されたので社会福祉士の履修科目に「医療ソーシャルワーク論」はなく、未だに社会福祉士が病院勤務する時は全く1から学ぶという意味が分からないことになっているのです。
しかも、各病院ごとに1から学ぶという状況なので病院によって全然違う業務内容になっているのです。
そんな中でも1997年には「精神保健福祉士法」が成立し「社会福祉士法」から分離され、福祉全般を取り扱う「社会福祉士」とは違って、精神障害に対してより医療分野に密接なソーシャルワーカー(PSW)として法整備が進められました。
MSWはそのままでしたが・・・。
皆さんはおかしいと思ったことはないですか?
医師は医師の仕事をするための資格。看護師は看護師の仕事をするための資格。リハビリもまたしかり。
MSWだけはMSWの仕事をするための資格ではないことを・・・。
これがMSWの業務が病院によってバラバラな理由であり、「医療ソーシャルワーカー業務指針」がこんなにも曖昧な指針である理由なんです。
まとめ
皆さんは気付いていましたか?
MSWっていうのは「社会福祉主事」をルーツにもつ「社会福祉士」とは違う土俵で活躍してきた専門職で全く違う職業として認知されていたことを・・・。
今ではMSWになりたければ「社会福祉士」を目指しますが、その「社会福祉士」の履修科目に「医療ソーシャルワークー論」がない異常さを・・・。
看護師資格とりたての人に「注射」してみよかって言ったら「慣れてなくてもやり方は分かる」じゃないですか?
そりゃ看護学校で勉強してますから!
一方、MSWは「社会福祉士」とりたての人に「退院させてみよっか」といっても何をするのか全くわからないんですよ。
それこそ1から勉強なんです。
たっ確かに・・・。
よく考えてみると異常じゃないですか!
MSWの業務について悩んでいる方は、そもそもMSWってそういうものなので悩むなんて当たり前なんです。
だからこそMSWは一致団結してお互いに情報共有して自身のMSWとしての立場を確立させていきましょう!
このブログでは少しでもMSWの地位向上のために皆さんと情報共有していきたいと考えています!