ども!ゆらたろすです!今日はSOAPの書き方について説明していきます!
SOAP?
SOAPというのは電子カルテに情報を記載する時に使う決まった形式のことです。
O) objective (客観的情報)
A) assessment (評価)
P) plan (支援計画)
こういう順番で電子カルテには記載するんですね。
へぇ~。そういう決まった「書き方」があるんですね!
今日はその問題を話したいんだっ!!!
えっ!なになに??ビックリした。。
実はこの「SOAP」というのはMSWが上手く扱えてなくて、新人のみならず中堅やベテランでさえ悩んでいる問題なんだ。
MSWは「SOAP」をただの電子カルテに情報を記載する時の「書き方」としか思っていないという問題があるんだね。
ただの「書き方」ではないと・・・。
そう!MSWは「SOAP」が何のためにあるのか・どうやって出来たのかを知らない事が多いんだ!なんたって入職時から・・・
「上司に電子カルテに記載するときはSOAPを使えって言われたからなんとなく勉強して使っているんです。」
という人がほとんどなんです。だから未だに「SOAP」の書き方で悩むMSWが多いんです。
SOAPを上手く書けるようになるには・・・
S)とは何か? O)には何を書いていいのか?
といった勉強をどれだけしても一生SOAPを上手く扱えるようにはならないんです。
じゃぁどうしたらいいのか?
そう!MSWは 「SOAP」が何のためにあるのか・どうやって出来たのか を知る必要があるんです!!
(すごい熱量だ・・・。相当な数の質問が来てたんだろうな。。)
じゃぁ!さっそくやっていくよ!
はい♪お願いします!
「SOAP」の成り立ち
その昔、医療というのは医師中心のシステムでした。
これを「DOS」と言います。
「DOS」ってのは「Doctor Oriented System」の頭文字をとっているものです。
この「DOS」の時代のカルテは科学論文などにくらべて極めて散文的で主観的なものでした。
1968年に「DOS」に懐疑的であったアメリカのウィードという医師が

出展:https://www.visualdx.com/company/larry-weed/
「DOS」に代わる新たなシステムを提唱しました。
それが「POS」
「POS」というのは「Problem Oriented System」の頭文字をとっています。
これは「問題志向システム」と訳され
要するに「医師中心」で物事を考えるのではなく、あくまで患者が何に困っているのか、どんな課題があるのかに目を向けるシステムです。
そしてこの「POS」を実行するために必要なカルテの記録方法
「POMR」というものができました。
この「POMR」というのは「Problem Oriented Medical Record」の頭文字で
「問題志向型診療録」と訳されています。
つまり「問題志向システムPOS」を実行するにあたって、長らく続いている極めて散文的で主観的なカルテはもうやめませんか?ということです。
では「POMR」の具体的な記録方法をみていきましょう。
↓
電子カルテによりますが、大体右上にある病名一覧がこれです。
↓
↓

そして最後のプログレスノートの経過記録をある決まった方法で記入しましょうとなっています。
ある決まった方法とは・・・もうお気づきですよね!
そうそれが「SOAP」なんです。
「SOAP」というのは単なる電子カルテの書き方ではなく、「POMR」を実行するため「イニシャルプランが正しく進行しているかどうかの経過記録」なんです。
これは医師や看護師なんかは当然知っていて、MSWだけが知らないんです。
だから「SOAP」もなんとなく使っているだけのものになってしまっているのですね。
MSWが「SOAP」形式で記録しにくい理由
ここまでの説明で「SOAP」というのは「POMR」の需要な役割を担っていることはわかってもらえたと思います。
それと、同時に先の手順があるから「プログレスノート」に「SOAP」形式で記入できるとも言えます。
ここで質問です!!
あなたの病院の電子カルテの「プロブレムリスト」にMSWが関わる問題は入っていますか?
そこには「病名」しか入っていないのでは?
それでは「SOAP」記録なんて、はなから出来るわけがないんです。
つまり・・・
データベースなどから抽出された問題点を「プロブレムリスト」に集め

問題に♯1♯2・・・とそれぞれ番号を振り分ける

そしてそれについて計画をたて

計画に対しての経過記録を「SOAP」で記録する。

要するに「1♯に1SOAP」という流れなんです。
しかし、MSWは電子カルテのプロブレムリストに取り扱う問題が記入されない事がほとんどなので、独自のプロブレムリストを持っており、それは自分の資料として持っている事が多いため、いざ電子カルテに記入するときにどこから書いていいのかわからなくなるのです。
「1♯に1SOAP」なのに問題が混在するカンファレンスを1SOAPに押し込めるなんてそもそも不可能です。
これがMSWが「SOAP」形式で記録しにくい理由なんです。
MSWが「SOAP」を操る方法
MSWの記録は「SOAP」じゃなくても、カンファレンスシートなど独自のものを作成しておけばOK!という病院はそれでいいですが、ほとんどの病院では、多職種連携のためにカンファレンスシートなど独自のものとは別に電子カルテにも「SOAP」形式で記録を書いてくださいとなっていると思います。それならば・・・
電子カルテのプロブレムリストにMSWの関わる問題も記入して♯番号を振り分けましょう。
病院によってはプロブレムリストの記入権限がMSWに振り分けられていない所もあるので、電子カルテにMSW独自のプロブレムリストを記入し、番号を振り分けて下さい。
そうすれば「SOAP」はびっくりするほど書きやすい記録方法に変身します。
わかりやすく例を出しましょう。
ADLは歩行困難、車いすにて要介助 高次脳機能障害あり 病識低下
入院により下肢筋力低下著名 リハビリ拒否傾向
独居 長男は遠方に住んでいる 施設入所は金銭的に難しい
という患者さんがいたとします。その場合のプロブレムリストはおそらくこのようになっているでしょう。
ある日、患者から相談があると聞いて訪室してみると
傾聴をしその場はそれで収まりましたがこのことを電子カルテに記入する際、プロブレムリストに
の記載があれば、イニシャルプランに
なんていう計画を電子カルテに残すことができ、今回の相談を記録すると
O)リハビリ拒否、本人の思いを傾聴
A)高次脳機能障害による病識低下からか、リハビリの重要性が理解困難であると考えられる。傾聴し、それでも納得できない場合は家族も含めてカンファレンスする必要性あり。
P)計画継続、家族との連携
というように電子カルテに記入することができます。
これが本来の「SOAP」の使い方です。「プロブレムリスト」と「イニシャルプラン」に記入があるからこそ、「プロブレムリスト」に「SOAP」で経過記録が出来るわけです。
さらにこのケースで今後開催されるであろうカンファレンスの議事録を「SOAP」で記入しなければならない時は、多数の問題を1SOAPに押し込めるのではなく、次に紹介するように記入しましょう。
後日、カンファレンスを開催
家族「しっかりリハビリしてほしい。私は遠方に住んでいるし、一緒に住むことは出来ない。金銭的な援助も出来ないから、施設は難しいと思うけど、独居っていうのも不安。一人で生活できるまで入院させてほしい」
という訴えがそれぞれあった時、もしプロブレムリストにこんな記載があれば・・・
♯6低所得のため施設入所困難
イニシャルプランも電子カルテにこうやって残すことができます。
♯6貯蓄状況を把握し、適切な支援を受けれるように調整する。
そして電子カルテにはこうやって記録することができます。
♯5
S)「絶対に自宅に帰る」
O)下肢筋力低下著名、病識低下、歩行困難
A)高次脳機能障害による病識低下により、現状が理解出来ていないと考えられる。同時に長期入院によるストレスも考えられる。リハビリの状況も含め、本人のニーズを傾聴しながら、今後の生活を組み立てるためにケアマネージャー等と連携する必要があると考える。
P)計画継続、14日後再度カンファ、ケアマネージャーとの連携
♯6
S)長男「金銭的な援助は出来ないから、施設は難しいと思うけど、独居っていうのも不安」
O)長男東京在住、本人の年金月8万、自宅は賃貸、貯蓄不明
A)貯蓄状況によっては、生活保護受給も考えられる。
P)計画継続、長男に生活保護について説明し、役所への相談を促す。
というように記載できます。一気に書きやすくなりましたね。
覚えておいてほしいのは「1♯に1SOAP」です!
最後に
はい!どうでしたでしょうか。このようにMSWは「POMR」を詳しく知らない中で「SOAP」形式でのカルテ記録を迫られた結果、混乱してしまっているっていうのが現状です。
先輩MSWにここまで教えてもらった人はもうけもんです。ほとんどのMSWは
「SOAPで書け!」としか教えてもらってないですからね。
そうだったんですね。。MSWさんも大変だ。。
少しでもMSWさんたちのお力になれるようこれからも頑張っていこー!
おー!!