事例紹介⑩~あれ!?施設入所希望じゃなかったの?急遽自宅退院希望に変わった患者の退院支援~

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

こんにちは!今回も事例紹介していこうと思います!

※事例紹介をブログにUPすることは本人(ご家族)の了承を得ています。プライバシーを考慮して多少の変更は含みます。

テーマ

施設入所を希望されており、すでに入所する施設も決まっていた患者さんの把握していたニーズが実は違ったことが発覚し、情報提供の重要性やどこまで介入するべきなのかを問われたケース。

事例紹介

67歳 女性 要介護2(今回初申請)

自宅で呂律困難になり、ベッドから起きれなくなっているのを家族が発見し、救急搬送。診断は脳梗塞とされ、緊急オペ実施。軽度の右半身麻痺が残存したが、認知面の低下はなし。

ADLは全項目要介助であり、移動は車椅子。つかまり立ちは可能。

リハビリのために当院へ転院してきた。当院入院時FIMは57

FIMについてはこちらで詳しく解説しています!

社会背景

娘と2人暮らしで入院前は自立されており、介護保険サービスの利用はなし。
生活費は娘の仕事の給料と本人の年金で比較的不自由なく生活されていた。

娘は仕事もあるので、施設入所を希望されており、本人も娘に迷惑をかけたくないからと施設入所を希望されている。

娘は、当院転院前に独自に有料老人ホームに見学にいかれたようで、入所申し込みは済んでいるとのこと。

アセスメント

本人・娘共に施設入所を希望されているので、ある程度リハビリが進んだ時点で申し込んでいる施設と連携をとり診療情報提供と入所前の本人面談に移行する。

MSWとしては早めに施設に連絡を入れ、ADLがどの状態まで回復すれば入所出来るかの基準を確認する必要あり。

支援介入

入院から60日目

リハスタッフから「最近リハビリの意欲が極端に落ちている。話を聞いてみると、実は本人は初めから施設入所が嫌だったみたいです。」と報告あり。

本人との面談をセッティングし、詳しく話を聞いてみると
「娘が施設と言ったから従っているけど、本当は入りたくない」という発言があった。

ただ同時に、「娘を困らせたくないので、この事は言わないでほしい」とも。

無理やり介入する必要はないが、一応助言として当院スタッフ同席のもと、本当の想いを家族に伝える機会をセッティングすることは出来ると伝えると「少し考えます。」と発言があり、いったん介入をストップした。

入院から90日目

本人から呼び出しがあり、「やっぱり娘に一回ちゃんと話してみる」と希望されたので家族会議をセッティングする。

MSW・リハスタッフ同席のもと、本当の想いを家族に伝えると驚いた様子で
「そんなに施設に行くのが嫌だったなんて思いもよらなかった。」と言われる。

ただ実際問題、家に帰っても日中介護する人がいない事を心配されるので、介護保険で使えるサービスを説明。デイサービスや訪問ヘルパーなどの事を知らなかったようで、
「そういうサービスが使えるなら自宅でもいけるかも」と家族も納得される。

結果、自宅退院という方向性となり、すぐさまケアマネを手配し、自宅退院の準備・診療情報提供を行う。

入院から120日目

自宅退院される。

ふりかえり

このケースでは、入院時決まっていた施設入所が「本当に色んな選択肢の中から望んで選んだものなのか」を確認する必要があることを学びました。

実際家族は、介護保険のことをほとんど何も知らず、施設入所する時に必要なものとして認識していたみたいです。

施設のあてもついていたので、特に介入していませんでしたが、リハスタッフからの報告があって、ニーズを決めつけてしまっていたことに反省しました。

ただ今回は、本人が家族に「本当の想いを伝えたい」と希望されたから介入したのであって、そうでなければ無理に介入する必要はないと私は思います。本人の意思を尊重するのは大事ですが、希望されていないことにまで首を突っ込むのはただのお節介です。

私たちMSWの仕事は
「家族会議に自分だけで不安なら、私たちも一緒に参加することが出来きますけど、どうしますか?」とか、
「介護保険でカバーできるところはありますけど、どうしますか?」
など、あくまで本人・家族が何かを決断するために必要な情報を提示し、選択肢を増やしてあげることのみです。

なんやかんやありましたが、退院の日に目に涙を溜めながら「本当にありがとう」と言って退院していく患者さんの後ろ姿を朧気ながら今でも覚えています。

「お節介」と「支援」をしっかり区別しましょう!
難しいとは思いますが一緒にがんばっていきましょう♪

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。

スポンサーリンク

☆YouTubeでも活動中☆

コメントを残す

*